チタンの生産者
国内のチタン生産者

上表のとおり国内ではスポンジチタンメーカーが2社、展伸材と呼ばれる板や線など各種形状に加工した製品のメーカーが5社あります。
製品メーカーはいずれも鉄鋼メーカーで、鉄鋼製品を生産している設備を併用してチタンの量産を行っています。
世界のチタン生産者
世界のチタン生産状況は最近5-10年ほどで大きく変わりつつあります。理由は2つあります。
①ロシアのウクライナ侵攻
②中国での生産拡大
かつてはロシアのVSMPO社が1社では世界最大のチタン生産メーカーでした(スポンジ、製品の双方で)。そしてその原料(チタン鉱石)の多くがウクライナからの輸入でした。
しかし、ウクライナ侵攻後は航空機関連産業を始め多くの業界がロシアからのチタン調達を控えるようになり、スポンジチタンは日本の2社製(東邦チタニウム、大阪チタニウムテクノロジーズ)とカザフスタン製に、チタン製品は日本製や中国製への切り替えが進みました。
中国製のチタンは品質リスクがあるものの、価格競争力が高いことが特徴で急速に世界で使用拡大が進んでいます。

チタンのリサイクル
製造プロセスのところで説明しましたが、チタン精錬には多くのエネルギーを要します。そのため少しでも材料を有効活用するために、途中工程で発生する端材やスクラップなどはリサイクルされています。
リサイクルには大きく分けて下記2種類があります。
①チタンに戻す
②他素材の添加剤としての再利用
①の場合、チタンは不純物を嫌うため、厳格な成分管理と異物混入管理が必要なこともあり、主に母材製造メーカーで行われています。
【リンク】日本のチタン製造メーカー
②は①ほどの厳格な管理を必要としないため、その他の企業で広く行われます。
当社では維持管理コスト等に配慮したSDGsの観点から、こちらのリサイクルを行っています。
チタンは埋蔵量が多いとはいえ、顔料や化粧品等の白色材料として大量消費されていることや、エネルギーコストなどの精錬コストが他の汎用金属に比べて高いことから、効率的なリサイクル方法により資源の有効活用を継続することが重要です。
