3. チタンの原料(鉱石)について (主な種類・産地・特徴などをわかりやすく解説)
説明項目
3-1. チタン鉱石の生産地
3-2. チタン鉱石の埋蔵量
3-1. チタン鉱石の生産地
チタン鉱石は世界中に幅広く存在するが、工業生産に適するものは偏在
チタンは鉄や銅など他の汎用金属と同じく原料となる鉱石から作られます。チタン鉱石はほぼ世界中に広くチタン酸化物(TiO₂)の状態で存在していますが、工業生産ができる一定以上の含有量となると生産地は限られます。
グラフはチタン鉱石の生産地と生産量を示したものです。【出典:米国USGS】※「イルメナイト鉱石」の説明は後述

日本国内ではチタン鉱石産出はない
日本でも多く算出される砂鉄には5~10%程度のチタン酸化物(TiO₂)が含まれているのですが、残念ながら工業生産に適しておらず日本はチタン鉱石の全量を輸入しています。
また、日本は鉱石が発する放射性物質への規制が厳しく、その管理が適切に行われている国から輸入しています。
3-2. チタン鉱石の埋蔵量
チタンはレアメタル?
日本ではチタンは「レアメタル」の一つに分類されていますが、この言い方は必ずしも正しくありません。というのもチタンは地球上にたくさん存在しており、金属の中の多い順で4番目に埋蔵量があるからです。
地球上に存在する金属を多い順に並べると、①アルミ、②鉄、③マグネシウムでその次がチタンです。私たちの身の回りで多く使われている銅・亜鉛・錫といった金属よりも地球上での存在量は多いです。【クラーク数による】
(参考)クラーク数とは
地球の地殻(表層10km)に存在する元素を、存在の多い順に並べた代表的なものが「クラーク数」で、これは米国の地球化学者のF.W.クラーク(Clarke)が19世紀末から20世紀初めにおいて発表したものです。
20世紀後半にかけて使われていましたが、調査方法によりバラツキがあることから現在では参考値とされています。

なぜ日本でだけ「レアメタル」なの? 世界では?
何故日本でレアメタルとされているかと言うと、精錬する難易度が高く、生産規模が大きくないためです。
一方、世界的には鉄や銅、アルミなど生産量の多い金属を「ベースメタル」、それ以外を「マイナーメタル」という分け方がされており、マイナーメタルの中でも特に希少なものが「レアメタル」と呼ばれています。この分け方ではチタンはマイナーメタルになります。
チタン鉱石の種類と名称
チタン鉱石は主にチタン酸化物(TiO₂)の含有量により、「ルチル」と「イルメナイト」という名称に分けられています。
「ルチル」はTiO₂含有量が概ね95%程度のもので、含有量の少ないものを「イルメナイト」と呼びます(30~60%程度が多い)。
また、イルメナイトを工業的にTiO₂含有量80~90%に高めたものを「チタンスラグ」、91~95%に高めたものを「合成ルチル」と呼んでいます。
チタン鉱石は金属になるよりも他用途のほうが使用量ははるかに多い
実はチタン鉱石の多くは金属として使用されておらず、金属チタンとなるのは鉱石全体の5~10%程度に過ぎません。
チタンには「白色を安定して出せる」という機能もあり、鉱石の90%以上が酸化チタンとして白色度・光屈折性・耐候性・化学的安定性の観点から、「白色顔料」や「化粧品原料」として消費され、白色原料の標準素材となっています。
